2012年11月9日金曜日

11/9(金)佐高信さん来たる!! くにたち景観裁判“市民自治がさばかれる”〜上原弁護団と語る Part2〜




日 時 2012年11月9日(金)18:30〜21:00
場 所 商協さくらホール
    (JR国立駅南口1分)
講 師 佐高 信さん(評論家)
参加費 500円
主 催 国立大学通り景観市民の会
    090-5791-5945

参加企画

景観訴訟から10年。国立市は現在、元国立市長・上原さんに3,123万円の取り立て裁判を起こしています。もしこの訴えが認められるなら、美しい景観、くにたちの自治は否定されかねません。 評論家の佐高信さんをお招きして、公判中の上原ひろ子さん、弁護団と語ります。
また、この裁判と同様に市民運動つぶし・口封じ裁判である住基ネット・前市長へのとりたて裁判原発フィクサー訴訟の当事者の方から連帯あいさつをいただきます。

2012年7月26日木曜日

シンポジウム『国立景観訴訟と首長の責任』


国立の景観を守るべく10万人以上が署名し、全国の景観運動を勇気づけ、
景観法制定のきっかけになった国立景観訴訟。
しかし10年後、マンション事業者が求めた損害賠償請は上原氏個人に請求されている。

「もしこのような裁判が認められるなら
 日本から美しい都市は消滅してしまうだろう。
 はたして『さばかれるのは誰か』?」
(『国立景観訴訟─さばかれる自治』五十嵐敬喜・上原公子 編著(公人の友社刊)7月下旬発売より)

シンポジウム国立景観訴訟と首長の責任

パネリスト
 五十嵐敬喜(法政大学教授・弁護士)
 上原公子(元国立市長)
 田中 隆(上原弁護団・弁護士)
 宮台真司(首都大学東京教授・社会学者)
司会
 野口和雄(都市プランナー)

7月26日(木)午後6時から 参加費無料
法政大学スカイホールボアソナードタワー26階)
問い合わせ 090-3904-7371 mail@machi-kaeru.com
主催 法政大学五十嵐ゼミ、景観と住環境を考える全国ネットワーク

2012年7月15日日曜日

国立市民は黙ってられない!━弁護士8人から話を聞く━


場 所 商協さくらホール
(JR国立駅南口1分)
参加費 500円
主 催 国立大学通り景観市民の会
090-5791-5945


国立市による上原公子さんへの取り立て裁判も、 いよいよ3回目の公判を迎え、佳境に入ってきました。
弁護団も40人へと広がるなか、ここで改めて、 8人の弁護士さんを国立にお呼びして、「本裁判を闘う意義や問題点」について、お話しいただきます。

これまで、景観やマンション問題に関わってきた方も、また初めての方も、どうぞ、お気軽にお出かけください。

本裁判がはらんでいる、市民の暮らしにとって見過ごすことのできない大切な課題を、共有できたらと考えています。
それでは、会場でお待ちしております。

[カンパ振込先]三井住友銀行・国立支店
        口座番号8013369
        国立大学通り景観市民の会(代表 上原公子)

2012年5月17日木曜日

【意見陳述・第4章】元市長の行動は住民の意思実現に他ならず、違法性はない

平成23年(ワ)第40981号 損害賠償請求事件
原告 国立市
被告 上原公子

意見陳述要旨

                   2012年5月17日
                   被告訴訟代理人弁護士 杉浦ひとみ
東京地方裁判所民事第2部 御中
 

 法的評価として違法性の観点について述べます。

 まず、違法性か否かは、端的に、市長の裁量権の著しい逸脱や、自治体の持つ法規範に反する場合です。国立市の法規範は、憲法、地方自治法、都市計画法、建築基準法などを受け、具体的には「国立市開発行為等指導要綱」(乙A21以下「要綱」)、「国立市都市景観形成条例」(乙A13。以下「景観条例」)、「国立市都市計画 中三丁目地区計画」(乙A34。以下「地区計画」)、「国立市地区計画の区域における建築物の制限に関する条例の一部改正」(乙A51。以下「地区計画条例」)をさします。

 原告が「被告の違法行為」として4つの行為を指摘しますが、第2行為として指摘されるものが、「
20m以上のマンション建築の許否」という争点に中心的意味を持ちます。しかし、先に述べた法規範に当てはめたときには、この第2行為としてあげられるもの、すなわち、明和地所に対する事前協議の要請、周辺建築物や20mのイチョウ並木との調和のため本件建物を低くすることなどの指導、標識の撤去要請、建物の高さを20m以下に制限することを柱とする地区計画の告示・施行、マンションの建築確認申請の取り下げ要請など、いずれも違法とはいえません。 国立市には市民の意思に基づく「景観形成」という要綱や景観条例がありました。本件マンション建設に際しては、議会が地区計画条例までつくったのです。被告が取った行動は、住民の意思実現に他ならないのです。

 さらに、原告は要するに、政策変更の違法性を指摘していますが、最高裁が示した基準によっても、原告は何ら法的保護に値しないものであることも明らかです。 


                            以 上

【意見陳述・第3章】環境保全の市民の声を受けた市長としての行動は背信行為とはいえず、求償の適用はありえない

平成23年(ワ)第40981号 損害賠償請求事件
原告 国立市
被告 上原公子

意見陳述要旨
                   2012年5月17日
                   被告訴訟代理人弁護士 齊藤園生
東京地方裁判所民事第2部 御中


1 国賠法1条2項による求償の問題については、被告準備書面(1)89頁以下に述べています。

2 訴状および住民訴訟判決(甲1の1)の論理は、被告の第1から第4までの行為を違法とした上で、違法と評価できる基礎事実を被告は認識していたのだから、少なくとも重過失があり、国賠法1条2項の求償が認められる、とするものです。
 この論理で考えるなら、首長は十分意味を認識しながら政策を実現していくのですから、その行為が国賠法1条1項で違法と評価されれば、ほとんどの場合2項が認められ、最終的には首長が責任を負うことになってしまいます。これでは首長の職責は果たせません。

3 国賠法1条2項の求償が認められる場合は限定して考えるべきです。
 現代の公務では結果として違法と評価される公務があることも不可避というべきで、公務の中には違法な公務も内在的に含んでいるというべきです。そのなかで2項による公務員への求償が認められるのは、公務員の個人的事情に起因するといえる場合、つまり自治体への背信行為がある場合に限定すべきです。2項の適用場面を限定する考えは、本年4月20日神戸市事件最高裁判決千葉裁判長補足意見でも示されているところです。
 被告の行為は、いずれも環境保全の市民の声を受け、市長としてその声を実現していった行動であり、何ら背信行為とはいえず、本件では2項の適用はないというべきです。
 本訴訟では、国賠法1条の趣旨に立ち戻って2項の適用について、根本的に問いなおされるべきと考えます。

【意見陳述・第2章】地権者、市民、市議会、景観審議会、都市計画審議会の意向を踏まえて、市長として市職員とともにマンション建設問題に対処した事実を検討すべき

平成23年(ワ)第40981号 損害賠償請求事件
原告 国立市
被告 上原公子

意見陳述要旨
                   2012年5月17日
                   被告訴訟代理人弁護士 中村晋輔
東京地方裁判所民事第2部 御中



  1.  被告準備書面(1)38頁~84頁の第2章「本件で検討すべき事実関係」に関して、意見を述べます。
     
  2.  原告国立市の訴状及び住民訴訟判決(甲1の1)は,第1行為から第4行為を違法かつ有責なものであると指摘しています。しかし、原告国立市の訴状及び住民訴訟判決は、各行為の間に生じている重要な事実の検討を怠り、あまりに一面的な見方に基づいて、一部の行為を取り上げただけです。被告は、地権者、市民、国立市議会、国立市都市景観審議会、国立市都市計画審議会の意向を踏まえて、原告国立市の市長として、原告国立市の職員とともに、原告国立市の財産である大学通りの景観を守るために明和地所株式会社によるマンション建設問題に対処したものですが、この点について何ら検討がなされていません。また、明和地所株式会社が原告国立市の指導に従わず、原告国立市に対しても、市民に対しても、敵対的な態度をとり続けたことについても何ら検討がなされていません。
     選挙で選ばれた国立市長としての政策実現・職務遂行過程の行為についての違法性や重過失の有無を判断するにあたっては、一部の事実をつまみ食いするのではなく、被告の国立市長当選までの経緯をも踏まえて、一連の具体的な事実を証拠に基づいて総合的かつ慎重に検討すべきです。
     
  3.  とりわけ、原告指摘の第2行為の中の建築物の高さ制限を含む地区計画の決定と条例化の点については、地権者の82%の同意による地区計画制定の要望(乙A31,乙A3・103頁)、国立市都市計画審議会による地区計画の承認(乙A32・10頁)、地区計画の早期条例化に賛同する7万人の署名(乙A33、乙A2の1・12頁、乙A32・4頁)、さらには当該条例が国立市議会の議決を経たものであること(乙A37・20~21頁)を特に強調させていただきたいと思います。

                            以 上

【意見陳述・第1章】政策変更のコストを首長に転嫁することはありえない

平成23年(ワ)第40981号 損害賠償請求事件
原告 国立市
被告 上原公子
意見陳述要旨
                   2012年5月17日
                   被告訴訟代理人弁護士 田中 隆
東京地方裁判所民事第2部 御中 


 第1章について陳述します。
 本件は、政策実行をめぐって責任を問われた国立市が、あろうことかその責任を首長個人に転嫁しようとする事案です。
 住民に選出された首長は、住民意思を体して政策決定を主導し、政策実行にあたる権限と責任をもっています。景観保護を託された首長は景観維持と営業活動の間で中立ではあり得ず、諸方面への要請を含めて景観保護にあたることは、責任の履行ではあっても権限逸脱ではありません。
 首長の交代による政策変更があれば、新首長による政策実行は一部関係者の利益と衝突します。政策変更は当然だが、関係者の信頼の保護が必要になることがあり、補償措置が講じられていないと「補償にかわる賠償」を命じられることがある…これが判例法理です。
 この補償措置や「補償にかわる賠償」は政策変更のコストであり、私利私欲追及などの自治体への背信がない限り、首長に転嫁することはできません。首長個人への転嫁は、住民自治や民主主義の自己否定を意味するからです。
 では、政策変更がなければ、個人への転嫁が野放図に認められるか。そうなれば、住民自治は日常的に掘り崩されることになります。
 本年4月20日の神戸市事件最高裁判決は、自治体が行った補助金支出の実質的意味に着目して首長の過失を否定しました。補足意見では、首長の責任は私利私欲追及などの場合に限定すべきとされています。
 政策変更をめぐる判例法理や神戸市事件・最高裁判決の見地からして、本件で転嫁すなわち求償が認められることはあり得ない。
 これが第1章の結論です。

2012年3月7日水曜日

佐高 信さん・メッセージ

これは別代未聞の話ですね。もし、この判決が通ったら、石原都知事は 「新銀行東京」 でつくってしまった1,000億円近い累積赤字を個人で支払わないといけませんね。
上原さんを訴えた国立の住民や市長さんは石原都知事も訴えたらどうですか。


落合恵子さん・メッセージ

理不尽なことに異議申し立てしないことが、この非情で過酷な社会を作ってきたのです。業者さん側の「寄附金」は、市が支払った賠償金をそっくり返還したものでしょう。それを一般寄附金とした判決には無理があります。声をあげましょう、風通しのいい社会を取り戻すために。

河村たかしさん・メッセージ

上原公子さんは「景観」を訴えて当選し、その公約を果たしたのにもかかわらず、市長の中立性を犯したとして辞めたあとまでも責任を追及されている。
こんな判決がそのまま通ったら、まちがいなく全国の市長たちは萎縮してしまいますよ。

2012年3月1日木曜日

第一幕・宮岡判決 この事件、覚えていますか。


 TV局のヘリコプターがブンブンとび回ったので、おぼえている人、多いと思いますが。
2002年12月28日・朝日新聞夕刊

 国立市の大学通りは「日本で一番美しい大通り」(山口 瞳さん)と評された、新 東京百景の一つに選出されている通りです。その大学通りに面した静かな住宅地に「巨大高層マンション建築計画」がもち上がったのは1999年。その年の6月頃に初めてこれを知った市民たちから地権者82%の同意書を添えて高さ制限 の要請が国立市に出されたのが1999年11月です。この要請を受けた国立市は「高さ制限に関して地区計画をつくる」旨を公表しましたが、業者側はこれを無視して翌12月に都に建築確認を申請し、確認がとれた翌2000年1月5日当日からどんどん工事を始めてしまいました。

 市も対抗して、2000年1月24日、「高さを20メートルに制限する条例」を臨時議会で成立させました。なぜ、それまでは高さ20メートル制限の条例がなかったのかといえば、駅近くの商業地域をのぞく大学通りの住宅地では、「建物は街路樹の高さを超えない高さにして美しい大学通りの景観を守る」が住民たちの不文律として存在していたからです。

 周辺住民約50名はマンション業者に高さ20メートルを超えないよう2000年3月に東京地裁に提訴しましたが、マンション業者は「建築確認申請時には高さ制限条例はなかったから合法だ」として、大学通り史上前代未聞の44メートル14階建て巨大マンションを完成さ せてしまいました。そのウリ文句が「美しい景観」というのですから、開いた口がふさがりません。

 しかし、2002年12月、東京地裁(宮岡章裁判長)は、この周辺住民50名の訴えに対して、 「特定地域で独特の街並みが形成された場合、その景観利益は法的保護に値する」として、「高さ20メートルを超える部分の撤去」を命じました。法のスキをついた卑怯な行為は許さないという画期的な判決でした。

第二幕・根本判決 マンション業者の逆襲。


 劣勢に立たされた業者側は、「高層マンション建築計画が浮上したあとに国立市が発効した高さ20メートル制限の条例は無効である」「国立市の営業妨害活動によって売れ残りなど甚大な損害を蒙った」として、国立市に計4億円の損害賠償を求める新しい訴訟をおこしました。

 この裁判、2005年9月の東京高裁の最終審(根本真裁判長)で、「相当多数の者が大学通りの景観と比べてマンションに違和感を持っことは簡単に想像できるはず。業者側のいささか強引ともいえる営業方針への反発も信用低下に寄与している」と指摘し、「高さを20メートルと定めた市の条例は有効であ る」 と認めたものの、「市側に営業妨害 があった」と国立市の賠償額を4億円から2,500万円に引き下げたかたちの痛み分けで結審しました。

 国立市は2008年3月、2,500万円に金利分を足した3,123万9,726円をマンション業者側に支払いましたが、業者側は「業務活動の正当性を司法で認められることが訴訟の目的であり、賠償金は目的でなかった」として、市の支払った金額と同額の3,123万9,726円を市に寄附(返金)しました。

 永くつづいた訴訟合戦はこれで一件落着……と思われたのですが。

第三幕・川神判決「上原個人に弁償させろ」


 2009年5月、突然4人の住民が国立市を相手に、「市が支払った約3,120万円の賠償金は上原元市長が市長の中立性を守らずにマンション業者の営業を妨害したことから生じたものだから、市は上原元市長個人に約3,120万円に年5分の金利を加えて支払わせろ」という新しい訴訟をおこしました。

 この訴訟を受けた第一審の東京地裁(川神裕裁判長)は、2010年12月、「上原元市長が市議会でマンションを違法建築と答弁したなどにより同社の物件売却に支障が出た」として営業妨害と認定。「市は原告4名の要求通り、約3,120万円にこれまでの金利5分を加えて上原公子に支払わせなさい」と判決しました。

 当時の被告である関口博市長は「賠償金は実質的に返還されている。このうえ、上原さんから徴収したら二重取りになってしまう」と、東京高裁に控訴(第二審)しました。

 しかし、その第二審の判決が出る直前に、自民、公明などの支持を受けて2011年4月に当選した佐藤一夫市長はさっさと関口前市長の控訴をとり下げてしまいました。その結果、第二審は消滅し、第一審の判決が最終判決になってしまいました。ふつう、裁判は第一審から第三審(最終審)まで争うことができるのに、 第二審が争われている途中で被告の佐藤市長はなぜか白旗をふってしまったのです。第二審の判決は第一審の川神判決を否定したかもしれないのに。

納得できない上原公子さんは当然、支払いに応じません。そこで佐藤市長は支払いと仮執行を求めて、上原公子さんを訴えました。またまた新しい裁判 の始まりです。そして、今回の国立市長vs上原公子さんの裁判を担当する裁判官はなんと、「上原公子個人が国立市へ支払え」という第一審の川神判決をつ くったあの川神裕氏ではありませんか。アン・ビリーバブル!

 佐藤市長を当選させた自民、公明その他の議員たちはこんなチラシ(右写真参照)を撒いて、佐藤市長の応援を始めました。汚職や収賄事件ではあるまいし、なんという陰湿で執ような嫌がらせでしょう。