2017年1月25日水曜日

【ご報告】
 景観市民の会は最高裁での勝利に向けて、昨年11月半ばより、「不当な国立景観裁判に勝利するための基金」を立ち上げ、裁判支援のためのカンパをお願いしてまいりました。お願いの封書がお手元に届き、カンパを送ってくださった皆さまに、心から感謝申し上げます。
 ご存知の通り、その最中の12月13日、最高裁は、上原さんの上告を棄却する判決をだしました。
21日にも弁護団はいくつもの補充書の提出を予定しており、私たちも市民陳情に行く心づもりでしたので、不意打ちの上告棄却にかなり落ち込みました。長く被告の立場に立たされた上原さん、上原さんを支え続けた弁護団とご支援くださった皆さまの落胆を思うと、言葉もありませんでした。
 ともかく、11月半ばから12月20日までにいただいたカンパの結果は次の通りです。
 昨年末の20日、手弁当で闘いつづけた弁護団に、カンパとそれまで蓄積してきたものをまとめて40万円をお支払いいたしました。変わらぬご支援をいただきましたことに、重ねて感謝申し上げます。

    市民の会「基金」(ゆうちょ銀行口座)への入金状況と残高

「基金へのカンパ」11/1312月末  297,000円 

弁護団へ支払(12/20)        400,000円 ⇒日野市民法律事務所
 

尚、上原さんに課された賠償金約4500万円を、決してひとりに払わせないとの決意から新たな会(「くにたち上原景観基金1万人の会」)をスタートさせる準備をしております。
特別口座もすでに立ち上がり、先にお示しした通りです。出来ましたら、お心は、今後、そちらにお願いいたします。

専用口座⇒みずほ銀行 日野駅前支店
普通預金口座 1222665
名義人 日野市民法律事務所 弁護士窪田之喜(くぼたゆきよし)

※尚、現在、ゆうちょ銀行や他のメガバンクなど、どなたにとっても振り込み安い銀行口座の開設を準備中です。

 
 
 皆さま、遅ればせながら、今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
 
 さて、昨日1月24日、私たちは、国立市・永見新市長と面会し、「上原公子元市長に対する国立市の債権を放棄することを求める」申し入れをしてきました。以下に訴えを添付してありますので、ご覧いただきたいと思います。
 
 永見新市長は、30分の短い面会時間に、「感情論ではなく」との言葉を何度か使いながら、「行政の長として、賠償請求を執行する義務がある。そのことについて、裁量の余地はない。あると思われるなら、逆にお聞きしたい」と、私たちに問題を投げかけるような話し方をされました。
 永見市長は、故・佐藤市長の市政を全面的に引き継いだ市長で、この問題は、前市長が抱えた問題だから粛々と執行するしかないとの論調でした。が、ご自身が話された通り、たとえ、副市長着任早々といえども、上原さんに賠償請求することが定まった発端となる住民訴訟控訴取り下げ=地裁判断の確定に「決裁」印を押した当事者です。
 さらに、行政マンとして17年にわたる景観訴訟のすべてに関わり、国立市が、議会や審議会等民主的プロセスを経て景観保護をすすめた経過も全部ご存知です。
 面会中、終始笑顔で接せられましたが、明和地所と闘っていた当時と真逆の立場を取り、今回、ひとり上原元市長に全責任を被せ、賠償金をも求める立場になったことの矛盾をどう受け止めているのでしょう。債権放棄については、最初から思考を停止されて、「争い」を解決するために、難しい政治マターを含めてあらゆる方法を検討しようとする気持ちは感じられませんでした。残念です。
 古くから景観裁判に関わってきたある市議経験者から、「元市長に賠償請求するようなことに気が進まない、あるいは理不尽なこととして気が重いと思われているのかどうかが大事。どうなんですか」との鋭い問いに対して、「住民間で争うのなんて(誰でも)イヤですよ、そりゃあ!」と反応されていました。が、本音はよく見えませんでした。
 私たちが「申し入れ」文に書いた通り、これからも、永見市長の政治家としての良識に訴えるべく、できる限り要請を続け、あらゆる活動を展開していきたいと考えています。
 
 
右が、永見理夫市長。
左はくにたち大学通り景観市民の会・共同代表の佐々木茂樹。
 
 
                               
                              
国立市長 永見理夫 様                  
                     
                          

   元市長上原公子さんに対する国立市の債権を

放棄することを求める申し入れ

 
 私たちは、明和マンション問題をめぐり国立市が上原さんに対して求償裁判を起こして以降、一市民である上原さんに損害賠償を求めること自体が問題であるとして、裁判の不当性を訴えてきました。
 残念ながら、昨年12月の最高裁判決によって国立市の債権が法的には確定したことになります。
 
 これを受け、市長として、国立市にはなんら損害がないことであるにもかかわらず、上原さんを丸裸にするようなことを本当になされるおつもりなのでしょうか。
 「人間を大切にする」という国立市の姿勢はどこにいったのでしょうか。
 
 佐藤前市長ともこの問題について何回か話し合いをしてきましたが、佐藤さんは「金の問題ではない」ということをおっしゃっていました。
 政治的な背後関係の中で、裁判を継続せざるを得なかったということなのでしょうが、この裁判の理不尽さは理解されていたのだと思われます。
 
 この裁判が「いじめ」そのものであることは多くの人が理解をしています。学校では「いじめ」はあってはならないものとされています。大人の社会もそれを見習うべきではないでしょうか。
 
 「人間を大切にする」国立市では、市民一人一人が大切にされなければなりません。
 そのような国立市の首長として、ぜひとも、上原元市長に対する債権を放棄するご決断をされるよう要望いたします。